お久しぶりです。たわしです。
ポッ拳ネットの質問箱にこんな質問が届いていました。
結論から言うと、数をこなしてキャラ対の細かい知識を付けて…と地道な積み重ねは非常に大切です。
とはいえただひたすらに実戦を積み重ねればいいという訳ではなく、毎試合毎試合の経験を自分が強くなるための糧とするには試合中に考えるべき意識や知識が当然存在します。
例えば上級者同士の対戦を見て立ち回りを勉強しようと思っても、“何故この場面でこの行動を取っているのか”という点を理屈立てて理解出来ないと完全に自分のものには出来ないですし、その為には相応の知識が必要になります。
今回は今後積み重ねていく実戦を自身の糧とする為の知識に関する記事になります。
具体的にどこからをポッ拳中級者とするのかについてですが、タイトルにあるようB5ランク以降のプレイヤーとします。
B帯まで上がれたプレイヤーは既に立派なやり込みポッ拳プレイヤー。
自分が最初にB帯に上がれた時は、確か既にプレイ時間は100時間は越えていたと思います。
とはいえまだまだ自分より明らかに強いプレイヤーは沢山いて、ランクマでマッチングするA帯やS帯にはさっぱり勝てないし、C帯相手でもたまに負けて大きくポイントを失ってしまったりと、思い返せば中々苦い思いをする時期でした。
ポッ拳で更に強くなるためにはどうすればいいのか?
ポッ拳プレイヤーにとって一番辛いのは、この質問にもあるように具体的に何をすれば今より強くなれるのかがよく分からないことだと思っています。
BランクからAランクに、AからSに上がる為にはどうすればいいのか、
自分の経験やより強いトッププレイヤーの意見などを元に分析し、
キャラ対のやり方や遠距離攻撃の撃ち方、上級者になる為には欠かせないリスクリターンについての意識やその為の知識、安定した立ち回りにおける読み合いの考え方まで、
ランクマB5ランクから最終的にS5を目指せるというコンセプトで複数回に分けて連載していきたいと考えています。
前置きが長くなりましたが、第一回はフレーム表の見方についてです。
必ずしもB帯からフレーム表を見なければいけないという訳ではありませんが、より素早くこのゲームのコツを掴むには避けては通れない要素です。
ここから先は人によってはいくらか面倒くさいと思う要素も出てくるかもしれませんが、それらは確実に自身の血と肉になります。
ポッ拳は元々楽しいゲームですが、対戦ゲームは勝てるようになるともっと楽しいので頑張りましょう!
フレームの概念について
フレームというのはこのゲームにおける時間の概念です。
ポッ拳では1秒間に60枚の静止画をパラパラ漫画のように連続で流すことで映像を作っており、
その為ゲームにおけるすべての行動がこのフレームという単位で表現することが出来ます。
1秒間に60フレームということは1F(フレーム)は1/60秒、6F(フレーム)で0.1秒と非常に小さい時間の単位であることが分かりますね。
例えば、ルカリオのはっけいはボタンを押してから23フレーム目(以下フレーム=F)に攻撃が発生して、ボタンを押してから攻撃の動作が終わりガードなど次の行動が行えるようになるまでのはっけい全体の長さは63F。
相手がはっけいをガードすると、相手の方が8F先に硬直が解けます。
↑ここからここまでが23F
↑ここからここまでが63F
↑この後はっけいの硬直が終わる8F前にカイリキーのガード硬直が終わり、先にカイリキーが動ける
このようにそれぞれのポケモンの行動や、攻撃がヒットした時やガードした時の硬直時間は全て決まっていて、それらはフレームという単位で表すことが出来ます。
このポッ拳のフレームについてまとめられたものがフレーム表です。
このフレームの概念については以前の記事でも解説しています。
今回初めてフレームについて知った!という方はまずこの記事を先に読んでおくことをおすすめします。
実際にフレーム表を見てみよう
何処を見ればいい? フレーム表の見方
・アクション
アクションや技の名称。攻撃が当たる(ガード、ヒット)ことでのみ派生できる技は背景色がグレーになっています。
・発生 超重要!自分の使うポケモンの発生フレームは真っ先に覚えよう。
技の動作が始まってから攻撃判定が発生するまでの時間。一番重要な部分です。
空中のアクションはジャンプ後6F目以降の入力で行えるため、フレーム表に記載されている発生フレームに5F足したものが、実際の地上から最速で入力した際の攻撃発生フレームになります。
・その他発生 赤い数字がある技(ブロックが割り込める技)は覚えよう。
多段攻撃や連携攻撃など、初撃以降に攻撃判定があるものはここに記載されます。
ここに載っている数字そのものはあまり覚えなくてもいいですが、
初撃をガードした後連続ガードにならない(ブロック攻撃などが挟める)場合赤い数字で表記されます。 赤い数字があるかないかは覚えておきましょう。
・全体 A帯以降、特に全体Fが短い技(通ブロに対してガードが間に合う技)はチェックするといいかも
技の動作が始まってから別の行動ができるようになるまでの行動全体のフレーム
この全体フレームが長い技は攻撃を外した際に大きな隙を晒す可能性があり、
逆に短いとブロック攻撃で受け身を取られてもガードが間に合うことがあったりと
覚えておくと得する技もあります。余裕があったら見ておきましょう。
・ガード硬直差、ヒット硬直差 超重要!B帯からでも見ておこう
攻撃がガードされた後の硬直差+がついている場合攻撃側が、-がついている場合防御側が数値ぶん先に動くことができます。
ガード後の反撃を確定させたり、フレームの有利不利を活かした攻防を行う為には絶対に覚えておきたい部分です。
数字は以降の派生を出さなかった場合。ポケモン技に派生した際の有利不利は”ポ]”表記で書かれます。
また、空中攻撃や遠距離攻撃などは攻撃をガードした位置で硬直差が大きく変わります。
攻撃の持続当てなど特殊な攻撃の当て方をした場合も硬直差が変化します。
フレーム表には遠距離攻撃の場合は発生部分のゼロ距離当て、空中攻撃についてはジャンプからの最低空当てのものが記載されています。
・判定 超重要!技の発生フレームと合わせて、B帯から覚えよう。
上中下段といった技の打点の高さの属性について記載されています。
それぞれの判定に対応した無敵を持った技は少なくなく、ここを覚えることで技の振り合いを有利に進めることが出来ます。
技の打点の高さについての記事はこちら
・強度 弾の撃ち合いなどでのキャラ対の要になることも。
打撃強度と弾強度の二種類があり、同じ項に記載されていますが、全くの別物。
打撃強度は攻撃が同時ヒットする場合のかち合いに関係します。
数値で表記されているものは強度の値が同値だと両者がのけぞり、硬直差が五分の状況、1つ差がある場合、強度の高い側が+10F有利になり、(空中で相殺する等でフレーム差が生まれる例外あり)2以上差がある場合、強度の高い側の攻撃が一方的に強度勝ちします。
弾強度はお互いの弾が接触した際のかち合いに関係し、
強度の値が同値だと対消滅、数値に差がある場合強度が低い弾のみ消滅します。
どちらも覚えておくと結構得する。余裕があったら覚えてみるといいかも。
・掴み耐性 相手の掴み読みで自分が振れる技について確認しておこう
通常攻撃など掴みに耐性を持つ攻撃が掴みと接触してもよろけなくなるフレーム数です。
ホーミング格闘、11Fの通常攻撃、構え強攻撃(8X)は全ポケモン共通で1F目から掴み耐性があり、多くの技は攻撃発生の10F前から掴み耐性を持ちます。
・ブロ硬直 『貫通』表記は超重要!ブロック貫通技はB帯からでも覚えよう。
弾をガードした時の硬直時間
またブロック貫通属性を持っている技は貫通と書かれている
貫通表記だけは見ておこう
・怯み 共鳴相手でも意外な小技で怯ませられたりする。自分のポケモンの怯み判定はB帯から確認しておこう。
攻撃の怯ませやすさ
- ◎…相手が共鳴中でも怯む
- ◯…共鳴中の相手は怯まない(まれに特定数ヒットで怯むことはある)
- △…通常状態の相手も怯まない(ごく一部の攻撃に設定されている)
- ×…怯ませることができない、ダウンする相手に対してのみコンボとなる
基本的には弱攻撃が〇、強攻撃が◎だが、一部弱攻撃の◎や通常時でも怯まない△、×の攻撃などがある。
また、攻撃の怯ませやすさは攻撃バフやクリティカル、共鳴バーストで一段階上昇する。
ポケモン技の怯み判定などは忘れずに目を通しておこう。
・ブロック、無敵など かなり重要!B帯上位やA帯辺りからは意識していきたい。
ブロック判定,よろけ耐性,無敵判定などの効果時間の情報などが記載されています。
ブロック属性を持つ技や一部の判定や属性に対して無敵を持つ技を把握することで、技の振り合いを有利に進めることが出来ます。
・備考 結構重要なことが書かれている可能性あり。B帯上位やA帯からは見ておこう。
連続攻撃のガード後やヒット後に自分が行動できるフレームが存在する場合や、攻撃の先端当て(持続当て)の場合の硬直差などの情報が記載。
表中で使われる主な略称
- [ガ]…ガード時
- [ヒ]…ヒット時
- [通ヒ]…通常ヒット時
- [クリ]…クリティカル時
色々書きましたが、まずは自分の使うポケモンの発生と判定、ガード硬直差から確認しておきましょう。
覚えておきたい全ポケモン共通のフレーム知識
フレーム表には基本動作の項に色々と書いてありますが、取り合えず覚えておくべきなのは下の2つです。
共鳴バースト
1F目から完全無敵
ガード後硬直差±0
ヒット後硬直差+8
ブロック貫通時+28
自分が不利な状況、反撃を貰う可能性のある状況で使うことで、被弾のリスクを大きく減らすことが出来ます。共鳴状態自体が一発逆転のチャンスになる上に切り返し性能が非常に高いので、手痛い反撃を貰うくらいなら即座に使うくらいの感覚がおすすめです。
通常最低でも五分状況を作り出せる行動ですが、FPの場合、ホミキャンというテクニックを使うことで共鳴を使ったプレイヤーが不利を背負うことがあります。
上級者相手の場合FPの共鳴バーストはホミキャンにも注意して戦う必要があります。
共鳴波を当てた際のヒット硬直差は+8。相手が共鳴をしてきそうな状況は敢えて攻めずにガードで様子を見るのも有効です。FPならそのままホミキャンも狙えると尚良し。
ブロック貫通を持ち、共鳴波で相手のブロックを貫通するとガード以外の行動に対して+28Fの有利。
相手の共鳴に対してブロックを構えてしまうと非常に不利になってしまうので、相手が共鳴した時にブロックを構えていた場合は、即座にステップキャンセルして不利Fを減らしましょう。
ジャンプ
1~4F 掴み無敵,下段無敵
5~約15F 中下段無敵(無敵が切れるタイミングはキャラ差あり)
5F~空中判定、6F目から空中行動に移行可(5F目までは地上行動が出る)
空中状態は通常掴みに対して無敵を持ちますが、一部のコマンド掴みは空中状態の相手を掴むことが出来ます。
ステップはポケモンごとに違う
ステップの早さや無敵時間などの性能はポケモンごとに異なりますが、バックステップに関しては全ポケモンに最低でも1~8F目まで打撃と掴みに対して無敵が付いています。
自分が不利を背負った際に使えば相手の発生の早い小技や掴みをバックステップで回避できることが多いです。相手の小技に困る状況はバックステップも使ってみましょう。
対戦中、フレームの知識はどう活かす?
今まで挙げたフレーム表で得られる知識を持って対戦に挑むことで、今の状況で取るべき強い行動、相手が振ってくる可能性の高い行動などを推察することが出来るようになります。
例えば発生の早い攻撃や、ガードされてもあまり不利を背負わない攻撃、派生行動によって択を仕掛けられる攻撃は密着状態などでも使いやすいですし、相手のポケモンの使いやすい技と、それに対して負けない自分の行動を知っていれば被弾のリスクを大きく減らせます。
今自分が振っている技は何フレームの技なのか、相手のどの行動に強いのかを理解して行動すること。
相手の取る可能性の高い行動と、それに負けない自分の行動を把握すること。
立ち回りのリスクを減らし、リターンを拾いやすくするこの二つの意識が立ち回りの強化には欠かせなく、その為にフレーム表の知識が大いに役立ちます。
ルカリオのフレームを例に解説
ここまで読んでいまいちピンと来なかった人向けに具体例を挙げていきます。
ルカリオの5Yは発生15Fの中下段技と書かれています。
つまりルカリオ側が+8のときに振ると相手の11F技に勝てますが、ジャンプなど相手が5Fから中下段無敵の行動をしていると当たらない技という事が分かります。
5Y単発のガード硬直差は-4F。5YYは連ガになり、5YYガード後から3段目の5YYYまでの間に10Fの割り込みが可能。
5YY後相手が11Fの通常攻撃を振ると5YYYが勝ちますが、これも中下段なのでジャンプなどで回避が出来るようですね。勿論ブロックも挟めます。
5YYまで連ガということは、相手が固まることを読んで5Y掴みをしようにも割り込みフレームが存在しないので5YYと5Y掴みの択は成立していないことが分かります。
しかし5Y後のポケモン派生は+13Fで、はっけいの発生は23F。
つまり5Yはっけいの5Yガード後割り込みフレームは10F。相手が11Fの通常攻撃に勝てるので、強いかはともかく5Y掴みと択に出来ます。
5Y単発の全体Fが35Fということは、ルカリオ側+8で5Yを振ると27F以下のブロックに対してガードが間に合わない。
ポケモン技に派生すると18F目にキャンセル出来て、5YYのポケモン技キャンセルでも28F目。ルカリオにはブロック属性のしんそくがあるので、しんそくに切り替えることで相手のブロックをやり過ごせるかもしれないです。
…と、こんな風にルカリオ5Yのフレームだけでも立ち回りについて考えられる内容が沢山見えてきます。
沢山ありすぎて、これを全ポケモンの全行動考えなければと思うと気が遠くなる人もいるかと思います。僕はなりました。
いきなり多くの事を覚えたり考えようとするのではなく、自分が実戦を通して対策すべきと感じたポケモン、技を絞り、その都度少しずつ調べて覚えるのが大切です。
次にボーンラッシュのフレームです。ガード硬直差が赤くなっている技は、相手の反撃が確定する可能性が高いです。
ボーンラッシュは無派生の場合ガードされると-16F不利を背負います。相手が攻撃をガードすると、相手の方が16F先に動けるという事は、相手の15Fまでの技に対してガードすら間に合わない“反撃確定”の場面となってしまいます。
ボーンラッシュ振り上げ派生をすれば、相手が動けるようになってから3F目には派生攻撃が可能です。つまりボーンラッシュ(無派生)に対して確定を取ろうとした相手に対して、派生攻撃で反撃出来ます。
しかしこちらもガードされると-12F不利。相手の11F技が確定してしまいます。
振り下ろし派生の場合ガード硬直差は-4でガードされても反撃は確定しないようですが、ボーンラッシュヒット後にも割り込みフレームが5Fある=振り下ろし派生はボーンラッシュを当ててもコンボにならないようです。
フレーム表を見る限り、ボーンラッシュは当てたら振り上げ派生、ガードされたら振り下ろし派生かブロック割り込みを読んで無派生止めなど、ヒット確認してから出す派生を変える立ち回りが強そうです。
また、ボーンラッシュ振り下ろし派生は一部中下段に対する無敵を持つようです。
ルカリオやミュウツーなど、上段に判定を持たない通常ブロックを持つポケモンに対してボーンラッシュをブロック受けされた時は振り下ろし派生をすれば相手のブロック攻撃を回避しながら攻撃を与えられるかもしれません。
強度の欄に★の付いてある技は弾消しの性質を持ちます。ボーンラッシュも弾消しを持っているようなので、相手の弾を見てからボーンラッシュで突撃という使い方も出来そうです。
このようにそれぞれの技と、その派生技の性質、使い分け方などをフレーム表である程度推察することが可能です。
ためなしのはどうだんはガード硬直差-22F~ 弾の硬直差は密着時のものが表記されています。
自分が弾を出してからしばらく経ってから相手が弾をガードした場合=遠距離で弾をガードした場合その分ガード硬直差は少なくなり、遠距離であればものによっては弾をガードさせた方が有利Fを得ることも多いです。
ためありはどうだんは密着であっても背負う不利フレームが少ないので、遠距離で相手にガードさせられたら大きく有利を得られそうです。
特に弾速の遅い弾に関しては、相手にガードさせて有利状況を作るという考えは重要になってきます。
自分の弾を相手がどの距離でガードすればどの程度有利なのか不利なのか、実機のトレモで確認しておくといいでしょう。
なおビーム系の弾など弾が一瞬で相手にまで届く技の場合はガード硬直差のラグは発生しないので遠距離でガードした際も不利を背負いやすいです。
フレーム表の見方が分かると、ポッ拳における技の使い方や対策をより一層考えやすくなります!
確反を覚えよう
フレーム表のガード硬直差の項を見ることで、どの技が確定反撃の技なのかチェックすることが出来ます。とはいえ派生攻撃がある場合やノックバックの大きい技など状況や自分の使うポケモンによっては確定を取れない場面も多く存在し、それらを完璧に把握するのは一苦労です。
それらの確反技について、僕が独自で調べた動画を製作中です。是非参考にしてみてください!